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繰り出そう、へなちょこパンチ、ねこパンチ!~私はコメントのお返事が出来ない子です。ごめんね。
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恋人である彼からは、大切にされていて
基本的にうまくいっているのだけれど、
やはりまだ付き合ってから日が浅い。

越えなくてはいけない壁が、少しずつ私の前に顔を出す。

でもその壁の越え方…溶かし方は既に知っているから、
たとえ落ち込んでも、苦しんでも
根底にある“揺るがないもの”が私を支えてくれている。
 
---

仕事の時は、仕事モードになって距離を置いている私たちだけど
仕事を終えて外にでたら…二人の距離はぐっと縮まる。
暗黙の了解で、その時間を楽しみにしていた。

いつものように、仕事を終えると
彼の親友の女の子が来ていた。
彼女は私の存在を知っていて、何度か会って話している。

私が片づけをしている間に彼とその子が話をし、
そして私が、これからどうするか彼に問いかけようとすると

「ごめん、今夜は僕達の共通の知り合いから誘われたパーティがあるんだけど…
君の知らない人で、君は招待されていないんだ。おまけに小さなプライベートパーティなものだから…」

軽くショックを受けたけれど、
彼の言い分はもっともだし、仕方が無い。
だからおとなしく一人で帰ることにした。



私がコンプレックスを感じているのは
迎えに来た親友の女の子のことなんだ。

彼女は、私より彼と付き合いが長くて良く知っている。
おまけに、現地語が流暢で楽しそうだ。

それにくらべて私は…普通に会話が出来るとはいえ、まだまだネイティブのようにはいかない。
彼が話す言葉のなかにも、知らない言葉が出てくるし、
そのせいで日本語のようにスラスラと冗談が理解できない。


その彼女と、二人で楽しそうなところを見せ付けられると…
正直、胸が痛むんだ。
その子と話すのがそんなに楽しいなら…なんで、私と居るんだろう?ってなるんだ。

そんな問いかけは、したってしょうがないのはわかってる。
だからなるべく、見せないようにはしているけれどね。

恋人と友達は、距離感が別だ。
それに私だって、これからもっと言葉をどんどん身に着けていけば問題ないじゃないか。
 


そして、私が帰るときになると、彼は私を見送るために先に外に出てまっていた。
その前に、親友の女の子とまたねの挨拶をし、その時に彼女から耳打ちされた。

「ごめんね。今日ちょっと私、落ち込むことがあって、彼に話があって…それもあって来たんだ。」

彼女は、私の気持ちをわかってくれてるんだと察した私は
「問題ないよ。また会おうね。」と笑顔で握手をして出てきた。

外に出て、彼にも同じことを言われた。
私を一人で帰らせることに気を使ってくれてることには、嬉しかった。
普通に、次の仕事の予定確認をし、バイバイした。


それだけのことならば、何の問題もなかった。
彼は、恋人にだけでなく、友達皆に頼りにされてて、優しい。
思わず相談したくなる人柄なんだ。

いまはちょっぴり淋しいけれど…こんなものは後でなんとでもなる。
ひとりの時間をりようして…いっぱい勉強しよう。
そう思った。



翌朝…いや、昼頃。
私は眠りから目覚めたばかりだった。
彼から電話。

彼「今どうしてる?」
私「いま…おきたばっかり。」
彼「ということは、すぐに出られないのか…。
  携帯のバッテリーがなくなりそうだから長く話せないけど、
  もし準備できるようだったら○○駅まで会いに来れないかな、と思って」
私「そっか…ごめん。今そこにいるの?ということは家に帰って眠ってないの?」
彼「あの子(親友の子)のうちに泊まったよ。」
私「そうなんだ。今から帰るところ?」
彼「うん。君は今日なにするの?」
私「練習しなきゃだよ。」
彼「わかった。じゃあまた電話する」

こんな会話をして、釈然としないまま切った。

悩み事を聞いて、二人でパーティに参加するならともかく、
あの子のうちに、泊まったとは…?
夜間バスも出てるのに…?
 



胸のモヤモヤがあっというまに広がって、
私はその日一日中、苦しみに囚われてしまった。

なんで平気でそういうことをするのか?
また、言うのか?
別に、彼女との間に何もなかったと信じている、信じていたいけれど…

こんなくだらないことで悩むのはおかしい。
だけど…
彼は、もし私の立場だったら、何も感じないのだろうか。

たしかに、まだ恋人でなかった頃、
私が始めて彼の家に泊まったときにも何も無かったくらいだから、
信じるには値する。

だけどね、
私が、自分よりも私をよく知り、親しい男友達の家に泊まっても、
彼は平気なのだろうか?





黒い雲のような悪い妄想が、胸を支配していく。
胸どころか、全身を支配されて、もがき苦しんだ。

彼に聞きたい。
苦しいって助けを求めたい。

でも…その傍ら、躊躇していた。
彼とあの子との間に、何もやましいことが無いのが事実だとしたら
私が疑えば彼は悲しむだろう。

それに、私たちがここでこじれたら、
別の件で悩み苦しんでいたあの子をも悲しませることになる。


私がこの気持ちを表せば、彼と彼の周辺にも苦しみを伝えることになる。
それは嫌だ。
大切にするんだって決めたんだから。



…私には、彼の親友達のように、彼に救いを求めることが出来ない。
彼に甘えられない。可愛くないかもしれない。
実は彼だってもうちょっと頼ってほしいかもしれない。
かといって、甘えが過ぎて彼の自由を奪うのも嫌だ。


色々な想いの中で揺れながら
一日中苦しみ続けた。

苦しんでいるうちに、眠ってしまった。
かといって、眠るほかに何も出来なかった。

誰かのせいにしたり恨んだりして、生霊にだけはならないように自分を制した。
生命あることへの感謝を、必死で取り戻そうとしながら…。




ひととおり眠って、
ふと目覚めてもまだ苦しみは残っていた。
けれど、少しだけ冷静さが戻っていたので、時間の許す限り考え続けた。


そうだ、こういうときは決まって、思い遣る心が必要なときだ。
自分のことばかり考えるときっていうのは、
裏切られた感が強くなるし苦しいばかりなのだ。

彼の立場になって、一生懸命感じてみた。



彼は音楽家という職業の性質のせいで、
これまでの恋人達とうまくいかなくなったと言っている。
演奏会だ何だかんだと、一定の場所にいないし、
修行のために自分の時間を要するのが、一般の人たちにはあまり理解されないようだ。
そして彼は、自由を愛し、束縛を嫌う人だ。
友達も多い。

私は、幸いにもそれらの性質に非常に近いものを持っているし
会わない時間が多くても、何の問題も無い。


でも今、私が感じるのは、職業的なものばかりではない。
彼自身が気が付いていないかもしれない、
“恋人に対する気遣いの足りなさ”だ。
自分の自由に拘りすぎるが故の。
そして周囲への優しさ、平等感を大切にするが故の。


彼はそういう人なのだ。
だから理解してくれる女性が少ないのだろう。

友達としてなら問題は無い。
だからみんな彼と別れても友達になる。
友達というのは、深い部分では距離感を保つ関係だから。

でも、恋人となると…もっと深い部分で“一体化”し、
二人三脚で歩んでいくもの。

誰だって、せめて相手にとってだけは自分が特別でありたいはずだ。
ほかの人と平等じゃ嫌なはずだ。

さらには、自分を自分で認めることが出来ない人ほどそう感じるものだ。
“認めること”を、自分と一体化する相手に頼るのだ。



だから、本当に自立している人には、恋愛が必要ない。
もちろん、恋愛しなくたって結婚は出来るんだ。


そんななか、彼が、女性を求めるということは…
必要としているのだろう。
“奥深い部分”を理解して、受け止めてくれる人の存在を。
 
奥深い部分を理解して受け止めてくれる人を必要としていたのに、
現れなかったから、彼は一人だったんだ。
あんなに友人が多いのに、一人だったんだ。

だったら私が受け止めようと思った。



彼は自由を愛してはいるけれど、とっても淋しがり屋さんで
演奏旅行などで旅に出たときとか、
周りが知らない人ばかりで独りぼっちなのが耐えられないらしく、
常に友達に電話しているような人だ。

自由と平等を愛しているけれど
多くのものを愛すれば愛するほど…その根底にあるものは
“孤独感”。

孤独の恐ろしさを知る人ほど、孤独を嫌う。
孤独感を知っている人ほど人に優しくあれる。

孤独を知り、嫌うが故に、すべてを大切にしようとしすぎて
その心の奥に隠れされた孤独を、理解してくれるパートナーが現れないのだとしたら
それほど淋しいことはないだろう。

私は彼の孤独を理解しようと思った。


表面的なことに囚われず
いつもお日様のように笑って
すべてを包み込めるように…
そんな存在で居ることが、私の使命だと思った。




そうやって、彼のことを感じ取り
自分の在り方を取り戻した瞬間に…
私を苦しめていた心の中の黒いものが
どんどん音を立てて溶けていくのがわかった。

再び、なんのわだかまりもなく彼に笑いかけられる自分が戻ってきた。



よかった。

私と出会えて、幸せ者だね、あなた。  
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にゃんこ  :   2009.02.08.  Sun  11:05:56   編集
貴方は、とても素敵な女性ですね^^。私は、ずいぶん貴方の日記に助けられています・・。
時々、泣きながら読んだりしてるんですけど・・・。
私は・・まだまだ・・未熟者です。執着心の強い、あきらめの悪い・・・。
ホンと・・見苦しい限りです。情けなくなったとき・・お邪魔してます^^。
私は、貴方の日記に出会えて良かった!です!
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女性
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pianist
自己紹介:
フランスで奮闘中のピアニスト、yukawanの日々と心の内側を綴った日記。

色々なことに悩み、足踏みもしながら、なれる限りの素敵な女性になる。

出会える限りの人を愛したい。愛されたい。
心と心の繋がりを通じて、愛でいっぱいの世界に生きたい。

未熟さから生まれる葛藤や内面の気付きを経て、決して諦めずに、理想へ。
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