負い目は、感じています

この年になって、まだ親に頼ってたいした仕事もせず勉強を続けていること…

楽でいいわねって思われているかもしれないけれど
精神的には、私には自由も権利も何もありません。

でも、この状況を許し、送り出してくれているのは
何を隠そう、親にほかなりません。


こちらで働きながら勉強をすることもできます。
でも、それをやってしまったらおそらく一生帰れなくなります。
働く時間にすべてを取られ、勉強できる余裕がなくなってしまうからです。
家賃を稼いで、レッスン代を稼いで…そうしている間に進歩がないまま時間ばかり過ぎていくことになります。

しかも、学生ビザがあるから私はフランスに居られるわけです。
アルバイトなら学生ビザで良いけれど、いつか追い出されます。
滞在期限のない、就労ビザを取るのは至難の業です。
働き口がなかったら…結婚するしかこちらに居る方法はありません。

でも私は、勉強すること以外ではフランスに居るつもりはありません。
アルバイトをしなくては生きていけない状況になるのなら、私はここに居る意味がないから帰ります。




「思い残すことなく、思いっきり勉強してきなさい。できる限りの援護はするから」
私が、後悔を残さない人生を歩むことが親の望みだと言ってくれます。



だから…
感謝をして、ひたすら努力を続けることしか私にはないんです。
この負い目を重荷と感じ、精神を病んで縛られているわけにはいかない。




ピアニストとして、世間に認められるなんて思ってない。
世間の評価は、私が決めることではないから。

ただ、勉強を終えて帰ってきたときに、
支えてくれた親にも自分にも、恥じない私で居られるようにしたい。




せっかく、語学も
フランス人の人が感心するくらいは話せるようになったのだから
日本で仕事に生かせるように、何か資格でも取りたいんだけど。

ピアノの教師になるのが真っ当な道ではあるけれど、
私は演奏が続けられるなら何でもいいと思っている。




音楽は私にとっておそらく一生の課題、
だけど
もうひとつの、大切な夢。
妻となり、母となることにはタイムリミットがあるから…




だから。

ひとりで、楽観的になりやがってと
こんな私に、あなたはムカついてるかもしれない。
けど
プラス思考で、居るのをどうか許してください、
リミットまでの時間を無駄にしないために。