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今日、学校で正式に習う先生に初めて会い、
先生の教育方針を伺ってきた。


まず、先生のご自宅が、
“セーヌ川の上の船”だったので感激!
だって、本当にセーヌ川に浮いてるんだもの~!!!

カメラを忘れたので写真が撮れなかったのが残念。

しかもね、私の自宅から、バスで15分かからないご近所さん。
帰りに歩いてみたら20分くらいだった。



そして、ピンポン鳴らして入ると、いきなりニャンコのお出迎え。
しかも、すんごいなつっこくて、つい顔がホクホクしちゃった。
5匹くらい居るそうなんだけど、その中の一匹、
しっぽをピーンと立てて、すりすりしてくる子が居て。
私の持ち物全てに興味を示し、カバンの紐に絡みつき。笑
撫でまくって癒されちゃった。



先生はトルコ人のピアニスト。
年のころは50前後といったところでしょうか。

第一印象は、
眼光がすごくしっかりしてて、
でも嫌な鋭さじゃなくて、物腰は柔らかく紳士。
しっかり自分を持っている人、という感じ。

なんと、名前が…“フセイン”

何かを思い出させる名前ですね。。



そして、今日はたくさんのお話をしてくれたのだけれど、
要約すると、


「僕はすごく厳しくて、高度な要求をするから、覚悟が出来ないなら他へ行ったほうが良い。他に、優しく適当にやらせてくれる先生はいくらでもいる。
けれど、最後まで付いてきてくれるなら、結果は保証する」

「僕は君のお手伝いをするだけであって、本当の闘いは君の中でするものだ。
君自身が自由になるための修行だ。」

「僕の教育方針は、演奏家を育成することではない。アーティストを育成することだ。」

などということ。

奇異な意味じゃなく、精神論、スピリチュアリズムをすごく持ってる人だった。
そして、私がまさに求めていたもの…
「アーティストになること」を知っていてくれる教育者。

なんというめぐり合わせだろう。


そう、形だけ、テクニックだけ弾けても意味がない。
自分をしっかりもって、腹の中から、心の奥底から湧き出でて
伝えることが出来るように
なりたかった。

そして、これまでの教育の中では、限界があった。

なぜなら、制約が多すぎたから。
受け継がれてきた、正規の形を重要視し、
テクニックから生まれるナチュラルな音楽性を引き出してくれる先生たちばかりだったんだけど、
悪く言えば、たとえそれが自分の意図であっても、
少しでも伝統的文法からはみ出れば「だめ」と制限されて。
出る杭は打たれ。
個性を無くしながら、“無難な美しい”音楽を作らざるを得なかった。


その制限を取っ払ってくれる人に
この留学の成果を、まとめようとしている今出会えるなんて、なんというタイミングだろう。

もし、この先生にはじめから習っていてもそれはそれで問題だっただろう。
基本も知らずに、ただメチャクチャに自分の好きなように歌うだけなのも
それはクラシックという音楽の性質上、問題が多いのだ。

基礎を積み上げて…
それを元に、
それを壊し
それを超えていく。


私が歩んでいる道は
順番として妥当なものかもしれない。



まだ、本格的なレッスンは受けていないので、
どれくらい厳しいのか…わからない。
たぶん、泣かされるんじゃないかと思うけど、(笑)

それでも、これは縁だと思うから大事にしよう。





今日の話の中でも、
先生のシチリア人の友人のお話で泣いてしまった。

シチリア人の、心理学者の方がいるのだけれど、
内紛で大変な時期に生きた女性の方で、
武装した兵隊にとらわれ、道端で殴られ、蹴られ
殺されかけた経験をもつ方で。

か弱い一人の女性が、
大勢の、武装した体格の良い兵隊達に
弄ばれ
鼻をへし折られ。
要するに、彼女の顔は、体は、そういうことになっている。


それでも、
やはり命を失いかけるほどの経験をしたおかげだろうか、
その人は
決して、他人に対して怒ったり、イラ付いたりしない、
柔軟な人間性を身につけ
経験を生かして心理を紐解き、無残な経験のトラウマに苦しむ人々のために働いているそう。



涙を浮かべながら、
やっぱり、
「私はまだまだ甘かった。」と思った。
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自己紹介:
フランスで奮闘中のピアニスト、yukawanの日々と心の内側を綴った日記。

色々なことに悩み、足踏みもしながら、なれる限りの素敵な女性になる。

出会える限りの人を愛したい。愛されたい。
心と心の繋がりを通じて、愛でいっぱいの世界に生きたい。

未熟さから生まれる葛藤や内面の気付きを経て、決して諦めずに、理想へ。
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