嫌いな日

私が大嫌いな日が年に二回ある。

一つは自分の誕生日。
もう一つは９月某日。

どちらの日も、自分の存在がいかにどうでも良いものか
実感してしまうから嫌い。


９月の某日。
それは歴史的惨事があったから嫌いなのではなく。
愛する人が愛する人の誕生日だから。



私の命の存在を、祝福してくれたことなど一度だってなく
祝福どころか否定してくれるのに
その人のことだけは大切にするあの人。

よっぽど愛しているのだろうと思う。



その日は、他の日よりことさらに
私の存在がみじめになる日。

私もさ、素直に人の恋路を応援してあげられればいいのに。
私に嫉妬なんてする権利はない。
なのに嫉妬してしまう。

こういう妬き方、醜いのはわかってる。
でも、疎外感に痛む心は嘘つけない。

だから余計にいやだ。





忘れたい。
永遠に思い出さないようにしてしまいたい。

あの人の幸せを願って、あの人の幸せを見守って
さようならをしてしまいたい
あの人に関する思い出の、一切を封印してしまいたい。


精神的に、支えとして頼ってしまう一方で
早く、心変わりしたくてたまらない。


自己否定に苛まれて、ライフワークがままならない私は、
いち早く見つけなくてはいけないの。
私の存在を丸ごと肯定してくれる人を。
そういう人を、これからは心の支えにしなくてはならないのだから。




私の命の存在を、祝福してくれる人に、心変わりして
その人を深く愛し、支えて生きていくのが私の夢のひとつ。



ごめん。

その夢が叶って、
あなたへの恋心も執着も消えてなくなったとき
そのときにこの醜い嫉妬も消えるから。