充実の日々

昨日、おなかが痛すぎて昼間なのにベッドから起き上がれずにいると、
ふと電話が。

「もしもし」
懐かしい声！歌手の先輩だ。

その電話の内容は、
カフェライブ、ピンチヒッターの依頼。
しかも、翌日の。


いいよ、といいたいところだけど…
友達が泊まりに来てるしなぁ…

たまたま、電話が来たこの日だけ居なかったけど。
でもライブの日、その日は帰ってくる。
彼女、家の鍵持ってないから私が勝手に出かけて遅くなると困るだろう。。

少し考えたけれど、
ライブは翌日の１９時半から２１時までの間だけで、その後はいつものピアニストが来る
っていう話だ。
Aは、地方に出かけてて、夜にパリに帰ってきて外でご飯食べるっていうから、私が２１時くらいまで外出してても大丈夫かな、ってので引き受けることにした。


受話器を置き、
時計をみると２３時。


あああ、こんな時間まで寝てたのか。
腹痛も疲労もましになってる。



さてもうひと寝入り…
…ていうか、カフェライブまでもう２４時間ないので
急いで準備しなきゃじゃん！




弾こうと思ってた映画音楽曲集の、譜読みをする。

これが、案外難しくて梃子摺る。
本当は、１週間くらい準備に欲しかったなぁ～
もっと前からやっとけば、よかった。
過ぎたことを言っても仕方が無いのでひたすら集中する。


気が付いたらおなかが空いて。
食べて。
更に気が付いたら朝。
更に気が付いたら昼。

気が付いたら、脳と筋肉の疲労。

…一夜漬けは、ホントよくないわ。。つくづく思う。






一晩中練習して。
朝になったら、夜に再び帰ってくるはずのAにメール。
Aはちなみに、本日だけ地方に泊まりがけでコンサートに出かけていたのだ。




ひととおり、弾くプログラムをシミュレーションして、
それから寝る。１６時。
２時間だけの睡眠だけど、
体が疲れていたのでけっこうスッキリ。

出発は１８時半。
…のはずが、二度寝してしまい、１９時。

本番、１９時半。５分くらい遅刻しちゃった。
でも普通にレストランは営業していたし、サラっとピアノの前に座って始めれば問題はなかった。




今日はなぜか、頭が冴えていて
楽譜がスムーズに理解できたし
自分の実力的に、夏の特訓の成果も感じた。

テンションが↑↑↑



本来２１時までのはずだった私の今日のお仕事。
しかし来るはずのピアニストが、来ない。。。

すると、レストランのオーナーが現れて
２３時までシフト入れてくれ、とお願いされる。
Aが、帰ってくるんだけど…でも、オーナーにお願いされちゃ、やるしかないでしょ。。


オーナーはすかさず、来るはずだったピアニストに連絡し、本日は私のオールシフトに決定。
「ありがとうね。給料上乗せしとくからね。」

やった♪給料も半分の予定だったから全額もらえる♪
ちょっとラッキー。




しかし本来、弾く曲の量が半分の予定だったものだから、
楽譜をいくつか忘れてきた。

急な依頼だったものだから、満足に練習してきたものも少なく、
レパートリーに困りそうだったけど。

ジャズも入れて、なんとかやりくりした。




２３時に演奏終了。
深夜のシフトに入ってるピアニストにバトンタッチ。


それから少しだけ歌手の子と、お客さんと話して、
お給料を受け取り、帰ろうとすると、
オーナーから電話が。

「今、店を出発したところなんですけど…」
「５分だけ待ってくれ」
「わかりました。じゃあ戻ります」

そう会話をし、店に戻る私。



しかし５分どころか…

１５分。

３０分。

結局、オーナーが現れたのは２３時４５分でした。。




店員と、話し込むオーナー。レストランのお客さんのことで何か話してる。
あの、私、何で呼ばれたのかしら…！？

待ちながら少々不安になる。

下手だったから、もう来ないでくれとか言われるのかしら！？
なーんて…。



すると、会話を終わって、私の方を向いて
胸ポケットからユーロ札を出した。
「今日の、臨時ボーナス」

！！！！

なんとまぁ。さっき延長するときに言ってた、給料上乗せというのは
オーナーじきじきに、別に下さることを意味していたのだと、
やっと理解できた。。


深くお礼をいい、急いでメトロに乗って帰ろうとする。
Aが、重い荷物を持って待ちぼうけだから…！



メトロに乗る前に電話すると、Aは、他のパリに住んでる友人と一緒に、シャンゼリゼで飲んで待っててくれた。
だから私も合流し、１時近くまでまったりしゃべって過ごし、それから一緒に帰路に着いた。




いやー、良い一日だったなぁ。
よく弾いたし。

テンションが、けっこう↑↑↑で眠れないかと思ったけれど
落ち着いてみると、低くすぎも無く高すぎも無く、良い塩梅に頭が回転してくれる感じだった。
体も疲れてきたし。
眠れるかな？




Aは、明日日本へ出発するための荷造りをしてた。

明日からまた一人ぼっちかぁ…



いやしかし、
フランスに滞在できる期限もだんだんと迫ってきたし、
居れる間はみっちりやることがいっぱいだから
淋しがってなど居られないのだ。

実力もっともっと伸ばさなきゃ。







思ったこと。

人と比べても仕方が無いんだ。
みんな、それぞれの道があるし
それぞれの場所がある。

私なりの、ベストを尽くしていれば
コンプレックスなど感じて卑屈になる必要なんてぜんぜんないんだ。

堂々と、そして精一杯。やってればいいんだ。